狼歯(やせ歯)
今回は12月頃によく見る狼歯(やせ歯)について書いていきます。
そもそも馬の歯は「切歯」「犬歯」「臼歯」がありまして、臼歯には前臼歯と後臼歯に分かれています。
歯式として 牡では I 3/3 C 1/1 P 3~4/3 M 3/3 の 40~42本
牝馬は I3/3 C 0/0 P 3~4/3 M3/3 の 36~38本 と言われております。
国家試験勉強の時にゴロで「みい耳」「みお耳」となんと分けも分からない語呂で覚えた記憶があります。
歯式は解剖学でちょこちょこ出てきたのと、
あとは身体の中で一番硬いところはどこでしょう。な問題で骨じゃなくて、歯のエナメル質!!!など言っていました。
牡は犬歯があるため、牝馬より数が多いとされています。
またP(前臼歯)に3~4と差があるのは、個体差で狼歯というものが前臼歯の前方のところに生えてくるからです。
見にくいのですが写真の右上のところに見えるのが狼歯です。
海外でも狼歯はWolf toothというらしいです。
狼の歯みたいだからなんですかね?
歯科機器を使ってころんと抜いていきます。
狼歯(やせ歯)は両側に生えていたり片方にしか生えていなかったり様々なので、抜歯の前に確認をします。
また狼歯は生後6ヶ月以降に生えてくるとされ、馴致の時に必要となるハミ受けにかかわるため
この狼歯がでてくると抜いてしまうところが多いです。
そもそも馬には歯槽間縁という歯がない空洞があることで、ハミをつけられる構造になっています。
なのでこの部分に手を入れて口を開けさせたりします。
意固地になって意地でも口を開けさせないようにする子はいるので…
ちなみにこれが写真の子の狼歯です。
歯の大きさは様々で
このように同じ馬でも左右の狼歯の大きさが違ったり、長い歯根があったり
すごくちっちゃな狼歯であったり
ちょっとごつめで、でも狼歯が片方しかない馬など様々です。
※写真では2頭分の狼歯になります。
こうして歯を抜いたり歯すりをすると本当に筋トレになりますよ。
良い運動をさせて頂いております。
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