メイちゃんの整歯

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以前の記事で、整歯の紹介があったかと思いますが

ライジングのマスコットであるこの方も、例外ではありません。

メイちゃんです。


彼女は2歳ですが、聞くと以前に整歯をしたのがいつか分からない、とのこと。

歯を触ってみると、なかなか立派に伸びてしまっていました。

ならば削ろうと思ったはいいものの、彼女は口が小さいため、開口器が使えません。

頑張って片手で口を開かせつつ、もう片方の手で削ります…

まずは、鎮静をかけずにやってみることに。

顔がすごい。


前に出てこようとするメイちゃんと、体を張る牧場スタッフ。

何とか状態をキープし、削ります。

かと思いきやこの後、獣医と牧場スタッフをものともせず突進。

逃走を図りました。

マスコットとはいえその体重は100kgオーバー。

普通に危ないので鎮静をかけて再トライ。





…が、あまり変わらず。

眠そうにはするものの、削り出すと防衛本能が働くのか、再度突き進んできます。






顔もすごい。



ご飯食べやすくなるから、我慢してー



何とかかんとか我慢してもらって、とりあえずいいかな、というところで今日はおしまい。

お帰りいただきました。



こまめな手入れの大切さを学んだ日でした。



「ひどいめにあわされた」

ごめんごめん。







N



筋肉の萎縮とショックウェーブ

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まだまだ寒い北海道からお送りします。


背中~腰~臀部の筋肉がおちてしまった馬のショックウェーブ治療を行いました。


写真上がショックウェーブ施術前、写真下が施術後1週間です。


筋肉がおちて、背骨がゴツゴツ見えていたのが、ふっくらしています。(ピンボケしていてごめんなさい!)



こちらは、左肩(棘上筋)の萎縮を起こした馬。


左前肢を着くことが出来ないとのことで、診察したところ棘上筋の萎縮がみられました。


おそらくぶつけるなどして、神経麻痺を起こしたものと考えられます。

こちらも同じく、左前肢が着けないとのことで、診察した馬で、左の棘上筋の萎縮がみられました。


写真左が初診時、写真右がショックウェーブ治療を始めて1ヶ月後。



1か月後もまだ萎縮が残っていますが、前肢はしっかりと着くことができ、少し筋肉が戻ってきていました。


どちらの馬もショックウェーブ治療を2週間ごとに合計4回行ったところ、筋肉の萎縮がみられなくなりました。


もともと肉付きの悪いものを、肉付き良くすることはできませんが、

何らかの原因で筋肉がおちて(萎縮)してしまった場合は、ショックウェーブ治療が有効な場合があります。



U

鼻涙管閉塞

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「涙が出る」という相談を受けることがあります。

 

そもそも涙は、涙腺などで産生され

鼻寄りの瞼にある涙点から 涙嚢を経て鼻涙管を通り

鼻腔へと流れます。

 

「涙が出る」という症状の場合

産生が増えているのか、排泄が滞っているのか、

どちらに起因するものか判断することが必要です。

 

馬では

角膜疾患など”産生が増える”病態も多い一方で、

“排泄が滞る”原因として多いのが 鼻涙管の閉塞です。

 

スクリーンショット 2019-03-15 10.39.29

 

鼻涙管の開口部が欠損している先天性の場合と、

異物や炎症によって

もしくは 顔の骨折や歯の問題などによっておこる

後天性のものがあります。

 

 

スクリーンショット 2019-03-15 10.39.57

 

完全に閉塞している場合は

外科的処置が取られることもありますが、

 

原疾患がなく 単に詰まっているような状態であれば、

通水するだけで症状が改善することも多いです。

 

 

最近変わりやすいお天気ですが、

晴れた日などはとても暖かく 春の訪れを感じます。

 

スクリーンショット 2019-03-15 10.38.48

 

関東は桜の開花まで間もなく。

 

S

 

レントゲン撮影風景

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馬の肢の故障は、前肢に多いとされています。

なのでここ栗東の診療所では、レントゲン検査は前肢が圧倒的に多いです。

ですがたまには、後肢の検査をすることも。

IMG_20190226_084637 (1)

 

これは右後肢の飛節のレントゲン撮影を行っています。

 

馬は臆病な動物なので、真後ろに立たれることを嫌がります。

本当ならこのポジションは、あまり立ちたくないところ。

いつでも避けられるようにして、撮ったらさっと逃げます…

 

飛節を真横から撮ると、こんな感じ。

RH2-1

レントゲンは、どの骨を見るときはどの角度から撮るというのが、基本的に決められています。

撮りたい部分によっては、ちょっと危ないこともしなければいけません…

 

 

LH1-2

これは左後肢の後膝を横から撮ったもの。

ここを撮影するときには、撮影用カセッテ(板)を、後肢の付け根に差し込まなければいけません。

 

ビーチハピネス

内股に触られるのを、馬はとても嫌がります。

嫌がって少しでも動くと画像がぶれてしまい、正しい診断ができなくなってしまいます。

なのでここの撮影をするときには、鎮静をかけてから行います。

 

鎮静をかけると馬はぼーっとして眠そうになり、よだれを垂らしたりするものもいます。

なんだかかわいそう、と感じる方もいるかもしれませんが、お互いにストレス無く検査するためには、

たまには鎮静も必要だと私は思っています。

 

ただし、鎮静をかけたからといって安全ではないので要注意!

加減?も忘れてしまっているので、蹴るときは思いっきり蹴ります。

動物相手に100%安全というのは無いのだと、気を引き締めてかからなければいけません。

 

IMG_2855 (1)

仕事の邪魔をしてご満悦なメッシ。

ゴロゴロ言ってますが、撫でる場所を間違えると噛んできます。

「油断大敵だニャ!」

 

 

N

クッシング病(下垂体中葉機能不全 PPID)-その2-

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クッシング病の続きです。

(前回までのお話は、クッシング病-その1-参照)

クッシング

 

治療法は、

まず外科的治療は 馬では一般的ではありません。

 

次に 内科治療として、

ドパミン受容体作動薬である

ペルゴリドの投薬が 行われる場合もあります。

 

その他の対策として、

まずは餌の管理。

 

炭水化物には、

非構造性炭水化物 と 構造性炭水化物の2種類があります。

 

クッシング病の場合

インスリン抵抗性になっているケースが多いため、

非構造性炭水化物(以下NSC)の割合が

低い方が良いとされています。

 

例えば、

麦・大麦・トウモロコシ や 米ぬかは NSCが高く、

 

また乾草の場合、イネ科はNSCが高く

アルファルファはNSCが低いそうです。
またクッシング病専用の飼料も

割高ではありますが

日本でも一部販売されているようです。

 

NSCの低い飼料を少量頻回給餌にしたり、

ゆっくりかつ自由に 食べられるようにしてあげましょう。

 

 

またストレスをかけないことも大事です。

 

運動制限は必ずしも必要ありませんが、

筋肉の萎縮などでストレスを感じやすくなっている可能性も考慮して、

あまり無理はさせない方が良いでしょう。

 

 

他にも

蹄葉炎のリスクが高いため 削蹄と改装、

及び 駆虫や整歯も 定期的に行い、

日々状態を気をつけて観察するようにしましょう。

 
何か気になる症状の馬がいましたら、ご相談ください。

 

 

S

 

狼歯(やせ歯)

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今回は12月頃によく見る狼歯(やせ歯)について書いていきます。

 

そもそも馬の歯は「切歯」「犬歯」「臼歯」がありまして、臼歯には前臼歯と後臼歯に分かれています。

 

歯式として 牡では I 3/3 C 1/1 P 3~4/3 M 3/3 の 40~42本

 

牝馬は I3/3 C 0/0 P 3~4/3 M3/3 の 36~38本 と言われております。

 

 

 

 

国家試験勉強の時にゴロで「みい耳」「みお耳」となんと分けも分からない語呂で覚えた記憶があります。

歯式は解剖学でちょこちょこ出てきたのと、

あとは身体の中で一番硬いところはどこでしょう。な問題で骨じゃなくて、歯のエナメル質!!!など言っていました。

 

 

牡は犬歯があるため、牝馬より数が多いとされています。

またP(前臼歯)に3~4と差があるのは、個体差で狼歯というものが前臼歯の前方のところに生えてくるからです。

 

くち

 

 

 

 

 

 

 

 

見にくいのですが写真の右上のところに見えるのが狼歯です。

 

海外でも狼歯はWolf toothというらしいです。

狼の歯みたいだからなんですかね?

 

歯科機器を使ってころんと抜いていきます。

 

狼歯(やせ歯)は両側に生えていたり片方にしか生えていなかったり様々なので、抜歯の前に確認をします。

また狼歯は生後6ヶ月以降に生えてくるとされ、馴致の時に必要となるハミ受けにかかわるため

この狼歯がでてくると抜いてしまうところが多いです。

 

そもそも馬には歯槽間縁という歯がない空洞があることで、ハミをつけられる構造になっています。

なのでこの部分に手を入れて口を開けさせたりします。

意固地になって意地でも口を開けさせないようにする子はいるので…

どーん

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ちなみにこれが写真の子の狼歯です。

歯の大きさは様々で

 

大きい歯

 

 

 

 

 

 

 

このように同じ馬でも左右の狼歯の大きさが違ったり、長い歯根があったり

 

ちっちゃい歯

 

 

 

 

 

 

 

すごくちっちゃな狼歯であったり

 

ごつい歯

 

 

 

 

 

 

 

ちょっとごつめで、でも狼歯が片方しかない馬など様々です。

 

※写真では2頭分の狼歯になります。

 

 

 

こうして歯を抜いたり歯すりをすると本当に筋トレになりますよ。

良い運動をさせて頂いております。

 

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