アクシデントその後

Posted on Posted in f. その他, LATEST NEWS (Blog)

北海道よりアクシデントのその後、

骨折の治癒過程をお伝えいたします。

 

 

骨折の修復は以下のように進みます。

 

炎症期(骨折直後から2〜3週間)

修復期(数日後から数週間)

リモデリング期(数週間から数ヶ月・年)

 

 

では実際にはどうなったかと申しますと…

 

先月アタマに左第3中手骨を骨折。

 

2週間ほどグラスファイバーのシーネ(矢印の、アミアミに写っている)で固定。

第3関節を曲げた状態で固定しますので、

この頃は『カマキリ』と呼ばれておりました。

 

 

 

さらに2週間ほどアルミ副子(大きい矢印の)で固定。

ギプスシーネより、身軽になりました。

レントゲンでみると仮骨形成が始まっていました(小さい矢印)。

この頃には、レントゲン照射をしたり、

内視鏡の操作をしたり出来るようになりました。

 

 

その後2週間ほど人差し指と中指をくっつけてとめる

テーピングのみになりました。

 

この頃には注射がうてるようになり、

レントゲンのセンサー持ちが出来るようになりました。

(副子が邪魔で出来なかったのです。)

 

 

仮骨が骨化してきました(矢印)。

 

そして、晴れて骨折から1ヶ月半後には

テーピングもなくなり、自由になりました!

指のまたのクサクサからも開放!!

 

ただ、長期の固定で関節が固まっているので、

まだしっかりとグーが出来ませんが…

 

しっかりと(仕事しながら)リハビリしていきます。

 

 

あと、骨折してわかったこと。

 

手って思っていた以上に垢が出る。

 

 

 

U

 

 

競馬人生

Posted on Posted in f. その他, LATEST NEWS (Blog)

この春入社いたしました K     と申します。

私は競馬が好きなので今後は競馬のことにも触れていこうと思います!

 

 

今週の天皇賞春も終わり、無観客でのレースが続いてる競馬界ですが、

 

競馬が持っている力は底知れないものだなぁと感じている今日この頃です。

 

 

今年の天皇賞春は1番人気の馬がゴール前でギリギリ差し切って、痺れるレースでした。

 

 

来週から5週連続でG1レースがあるので、

 

週末は皆さんも競馬を観てはいかがでしょうか。

 

 

来週はNHKマイルと短距離の強い馬たちが競うレースです。

 

 

楽しみにしながら獣医の仕事に慣れるように

 

日々精進していこうと考えている新人獣医の初ブログを暖かく見守ってください。

 

 

多くの馬に接し、異常にいち早く気付いてあげられる獣医になるためにも、

 

我慢強く知識と経験を増やしていこうと思います。

 

今はこのような状況で不安が膨れていることと思いますが、

 

一丸となって乗り越えましょう!

 

 

p.s.夏の札幌競馬場での写真です。

 

 

K

角膜潰瘍

Posted on Posted in f. その他, LATEST NEWS (Blog)

角膜潰瘍についてです。

 

馬の角膜潰瘍は創傷性角膜炎と同意義とされております。

 

 

多くが競争中の外傷による角膜表層の損傷でありますが、

感染(Pseudomonas属などの細菌、Aspergillus属などの真菌)

により深層まで損傷が及ぶことが稀に発生します。

 

内因性要因として、

涙液や眼瞼の異常により角膜保護機能の喪失に起因するものがあります。

また、重症化した症例では、

角膜実質でのタンパク分解酵素(プロテアーゼ)の活性上昇により、

角膜の溶解が進行していきます。

 

 

 

症状として、眼瞼の痙攣、流涙、結膜充血などがありますが、

いずれも眼科疾患では多くみられる症状です。

また、ぶどう膜炎の合併がみられるケースもあります。

 

 

 

確定診断に有用とされているのが、フルオレセイン染色です。

 

 

色素剤を点眼すると、

角膜の損傷部位に色素が浸透し(矢印)損傷部位を確認することができ、

角膜潰瘍の診断に有用とされています。

 

潰瘍の深さはスリットランプを用いて測定することができます。

 

 

 

 

失明の可能性もあるため、治療は急を要します。

主に、抗菌薬、抗真菌薬(1日数回)の点眼を続けることが推奨されます。

 

ぶどう膜炎の併発症例に対しては、アトロピン点眼、NSAIDsの全身投与を実施します。

重症化予防として、抗プロテアーゼ(自家血清、EDTAなど)の点眼も行われます。

 

 

また難治性症例に対しては角膜切開術、角膜移植 等の

外科的療法が適応とされます。

 

 

 

投薬治療を行う際に注意するべき点として、

ステロイドの投与は禁忌とされています。

感染を助長する恐れ、治癒遅延の可能性があるからです。

 

また、アトロピン点眼を長期間行う場合、消化管の運動機能の低下により

疝痛症状を示す可能性があるため慎重に投薬する必要があります。

 

 

 

さらに、治療中の眼球保護のため眼帯を着用する際にも

眼帯内での菌の繁殖を最小限にするよう

通気口のある眼帯の使用や、長時間の連続着用を避ける等

の注意が必要です。

 

厩舎環境を綺麗にすることも、感染のリスクを減らすために大事な事だと考えられます。

 

 

損傷の程度により予後は異なります。

損傷が浅い症例、軽症である場合は、

検査で検出できない程度まで治癒する可能性があります。

 

 

しかし、

重症化、慢性化した症例では治癒後に瘢痕化が残ることもあります。

 

 

慢性化した角膜潰瘍の症例です。

視覚は維持できていますが、瘢痕が消失する事はないでしょう。

 

 

 

 

 

メイとドマーニ号です!

草に夢中で、カメラに気がついてくれません。笑

 

 

 

Y

 

潜在精巣(陰睾)

Posted on Posted in b. 診療について, f. その他, LATEST NEWS (Blog)

精巣は体温より5°C程低い陰嚢内に存在することで、

精子を産生できるようになります。

 

しかし精巣は

最初の発生の段階から陰嚢の中でできるのではなく、

 

胎児の時に腎臓に近い体の中で作られた後、

お腹の中を移動し、 鼠径管を通って陰嚢の中に降りて来ます(=精巣下降)。

 

この精巣下降は

馬では通常 生まれる1ヶ月前から出生後10日の間に起こるそうです。

 

ところが、何らかの要因でこのプロセスが上手くいかないと

精巣が腹腔内や鼠径管内に留まったままとなり、

この状態を ”潜在精巣 / 陰睾”と言います。

 

 

精巣下降のメカニズムは複雑で、

 

潜在精巣になる要因も

精巣導帯・精巣上体・鞘状突起など 鼠径部や陰嚢内の発生や発達に異常があったり、

また種々のホルモンが影響していたりと、様々あるとされています。

 

 

例えば犬の潜在精巣は、腫瘍化する可能性が

通常に比べて10倍以上も高くなるそうですが、

 

馬の精巣腫瘍自体が稀で、

潜在精巣と精巣腫瘍発生の関係も明らかになっていないそうです。

 

しかし潜在精巣でも

雄性ホルモンであるテストステロンは産生されるため、

 

通常の牡馬同様(もしくはそれ以上の場合もあるそうですが)

ウマッケが強かったり、

 

ウソかマコトか「調教時に、馬が陰睾を気にしている!」

と相談されることもあったり、

 

またはっきりとはわかっていませんが

一般的には馬では遺伝的な要因もあると考えられていることから、

 

馬の潜在精巣は 外科手術で切除するのが一般的です。

 

(馬でも ごく限られた適応例には

hCGやGnRHを用いたホルモン治療も効果が期待できるそうです。)

 

潜在精巣がどこにあるかによって アプローチの仕方も変わってくるため、

鎮静下でしっかり触診したり、直腸検査や超音波検査で確認します。

 

設備があれば腹腔鏡を用いて立位で行うこともありますが、

一般的に手術は全身麻酔下で行います。

 

(画像:Manual of Equine Field Surgeryより)

 

外鼠径輪のすぐ近くにあってすぐに摘出できる場合もあれば、

腹腔内にある場合だと 少し手技が煩雑になるようです。

 

 

下の写真は、

美浦のA先生のところで見学させていただいたときのもの、

いずれも左側陰睾の症例です。

 

 

ちなみに潜在精巣の対処法は

・人間:精巣を陰嚢内に手術で固定する方法

・犬:腫瘍化する可能性があるため摘出する方法

が それぞれ一般的なようですが、

 

例えば競走馬の片側生の潜在精巣の場合、

「牡馬限定のレースに出るから 潜在精巣だけ摘出して、

正常な方の精巣は残しておいてね!」というケースもあります。

 

また象の精巣は正常な状態で体内にあるそうです…何故。

 

不思議な臓器、精巣。生命の不思議です。

 

たらの白子が美味しい季節になりました。

 

 

S

 

管骨骨膜炎(ソエ)

Posted on Posted in f. その他, LATEST NEWS (Blog)

 

新年明けましておめでとうございます。

本年も、カワタエクワインプラクティスをよろしくお願いいたします。

 

 

今回は、“ソエ”と呼ばれる疾患についてです。

ソエとは、管骨骨膜炎(第三中手骨炎)のことを指します。

 

 

 

骨が完全に骨化していない状態にある成長期の若馬に対し、

レースに向けて調教を強めていくと、

前肢の管骨背側に過剰なストレスがかかっていき

骨膜が炎症を起こすことにより発生すると考えられている疾病です。

 

加齢に伴い、骨の成長が止まると発生もなくなっていきます。

 

 

症状として、

管骨(第三中手骨)中央背側の軽度の腫脹、熱感がみられます。

また、患部の軽い圧迫のみで強い疼痛を示すことが特徴的な症状として挙げられます。

 

疼痛が著しい場合、再発を繰り返す場合は、

皿状骨折や亀裂骨折の可能性も示唆されます。

 

 

 

 

診断法として、

レントゲン検査が有用とされています。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

このように、

管骨(第三中手骨)背側に、膨隆(白矢印)がみられます。

また、骨内腔に向かっても透過性の低下した像(青矢印)がみられます。

これらの所見から、骨増生や炎症の発生が示唆されます。

 

 

 

治療法として、

十分な休養を行い、

患部の冷却をし炎症を鎮めた後の抗炎症剤投与などが挙げられます。

ショックウェーブ を用いた治療は鎮痛効果、骨化の促進 等の効果があり、

予防としても有効であると考えられています。

 

 

 

治癒するためには、

休養をすることが最も重要とされていますが、

速く走るためには、強い調教をしなくてはなりません。

そのため、

歩様検査や、触診を頻繁に行い

早期に処置をすることで重症化を防ぐことが大切だと考えられます。

 

 

 

 

さて、

最近のメイちゃんです。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

正月太り気味でしょうか。

まるで、海苔を巻かれたお餅のようですね。

 

 

 

 

Y

日本ウマ科学会 第32回学術集会

Posted on Posted in f. その他, LATEST NEWS (Blog)

 

 

そろそろ冬も本格的になって参りました。

 

 

毎年、この時期に行われる日本ウマ科学会主催

『第32回 学術集会』へ参加しました。

 

 

そして、

今回我々の会社も症例検討会にて

 

「骨疾患に対するビスフォスフォネート製剤を用いた治療」

 

と題しまして、3症例について発表しました。

 

 

 

ビスフォスフォネート製剤(ティルドレン Tildren)について、

機序や治療方法等は以前のブログに掲載されております。

 

ティルドレンについて:

ティルドレン-tildren-について

ティルドレンについて〜その2〜

ティルドレン治療について:

ティルドレン治療の様子

ティルドレン治療の様子〜その2〜

 

 

機序が複雑な上に、

骨代謝に関与する破骨細胞の数を減らす作用があるため

適応症例など、熟考しながら使用する必要のあるティルドレン。

 

 

 

招待講師であるDr.Davidからも、

「慎重に使用していく必要がある薬品ですね」

といったような意見をいただきました。

 

私は、視聴していた側でしたが

多くの学びを得れた有意義な時間を過ごすことができました。

 

 

 

発表に携わった先生方、お疲れ様でした。

 

 

学会中、できる限りの講演を聴くことができました。

多くのことを勉強でき、自分の未熟さを痛感すると共に

とても実のある2日間となりました。

 

 

 

余談ですが、

今回の学術集会は両国での開催でした。

 

 

国技館のある両国といったら・・・

 

 

チャンコ鍋です!

 

 

先生方とお昼に食べましたが、

こんな大盛り食べられるかなと思いきや全員ペロリと完食でした。

 

 

お鍋が美味しい季節になったのかと思うと、

今年ももう終りだなと実感いたしました。

 

Y