角膜潰瘍

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角膜潰瘍についてです。

 

馬の角膜潰瘍は創傷性角膜炎と同意義とされております。

 

 

多くが競争中の外傷による角膜表層の損傷でありますが、

感染(Pseudomonas属などの細菌、Aspergillus属などの真菌)

により深層まで損傷が及ぶことが稀に発生します。

 

内因性要因として、

涙液や眼瞼の異常により角膜保護機能の喪失に起因するものがあります。

また、重症化した症例では、

角膜実質でのタンパク分解酵素(プロテアーゼ)の活性上昇により、

角膜の溶解が進行していきます。

 

 

 

症状として、眼瞼の痙攣、流涙、結膜充血などがありますが、

いずれも眼科疾患では多くみられる症状です。

また、ぶどう膜炎の合併がみられるケースもあります。

 

 

 

確定診断に有用とされているのが、フルオレセイン染色です。

 

 

色素剤を点眼すると、

角膜の損傷部位に色素が浸透し(矢印)損傷部位を確認することができ、

角膜潰瘍の診断に有用とされています。

 

潰瘍の深さはスリットランプを用いて測定することができます。

 

 

 

 

失明の可能性もあるため、治療は急を要します。

主に、抗菌薬、抗真菌薬(1日数回)の点眼を続けることが推奨されます。

 

ぶどう膜炎の併発症例に対しては、アトロピン点眼、NSAIDsの全身投与を実施します。

重症化予防として、抗プロテアーゼ(自家血清、EDTAなど)の点眼も行われます。

 

 

また難治性症例に対しては角膜切開術、角膜移植 等の

外科的療法が適応とされます。

 

 

 

投薬治療を行う際に注意するべき点として、

ステロイドの投与は禁忌とされています。

感染を助長する恐れ、治癒遅延の可能性があるからです。

 

また、アトロピン点眼を長期間行う場合、消化管の運動機能の低下により

疝痛症状を示す可能性があるため慎重に投薬する必要があります。

 

 

 

さらに、治療中の眼球保護のため眼帯を着用する際にも

眼帯内での菌の繁殖を最小限にするよう

通気口のある眼帯の使用や、長時間の連続着用を避ける等

の注意が必要です。

 

厩舎環境を綺麗にすることも、感染のリスクを減らすために大事な事だと考えられます。

 

 

損傷の程度により予後は異なります。

損傷が浅い症例、軽症である場合は、

検査で検出できない程度まで治癒する可能性があります。

 

 

しかし、

重症化、慢性化した症例では治癒後に瘢痕化が残ることもあります。

 

 

慢性化した角膜潰瘍の症例です。

視覚は維持できていますが、瘢痕が消失する事はないでしょう。

 

 

 

 

 

メイとドマーニ号です!

草に夢中で、カメラに気がついてくれません。笑

 

 

 

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