腕節の骨折

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競走馬に怪我はつきものですが、

過去のJRAのとある調査では、骨折の75%が前肢に起こり、

その内 球節と腕節の骨折が それぞれ40%前後と大半を占めているそうです。

 

今日は競走馬の診療をしていて非常によく遭遇する

腕節内の骨折について、少しお話しします。

 

競走馬の腕節内においては

橈骨遠位端、橈側手根骨、中間手根骨、第三手根骨 に骨折が起きやすく、

いわゆる骨片が飛ぶケース、盤状に折れるケース、亀裂が入るケースなど、

様々あります。

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いずれのケースも手術適応なのか、投薬や休養だけで 良化が望めるのかなど、

診断や治療のためには様々な角度からX線検査を行い、

骨折の状況を 正確に判断することが必要となります。

 

ところで 日々診療を行っていると、手術した方が良い骨折にもかかわらず

跛行の程度や馬の状態、および経済的な理由などから、

検査や治療や手術という方法を 選択できないケースに

遭遇することが 少なからずあります。

 

「小さい骨折で、痛みがひどくなければ、手術しなくても大丈夫なのでは。」

と思われるかもしれませんが、

 

腕節内に大きさに関わらず骨片が存在することはもちろんのこと、

骨折によって関節内の骨・軟骨・関節液に変化が起きることが問題で、

徐々に関節炎が進行し、やがては周囲の骨が変形する変形性関節症へと進行していきます。

 

もちろん腕節に限ったことではありませんが、

 

変形性関節症が慢性化すると、痛みが悪化したり、

腕節の形が見た目からして異常になるほど 骨増勢が進行していくケースも少なくなく、

慢性的な痛みをかばって走ることで 別の肢に問題が起きることさえあります。

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海外では 子供が自分のお小遣いを貯めて、

ペットの馬を病院に連れて行って去勢手術をしてもらうという話を聞いたことがあります

 

諸外国と日本では 根本にある様々な条件や状況が違うとはいえ、

 

日本でも 検査や治療を必要とする馬たちが

それらを当たり前に受けられるような状況を、

整えていきたいなと思う次第であります。

 

以前から このブログにも度々登場するライジングの猫メッシの

小さい頃の貴重な写真が出てきました。

メッシ3

メッシ2

 

あんなに小さかったのに、いつの間にか大きくなるものですね。

 

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