種子骨靭帯炎

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種子骨靭帯炎という疾病があります。
 
浅屈腱炎ほど大きな話題にならず、それほど症例数も多くはない印象ですが、それでもたまに見かけます。
 
 
馬に限らず肢はとても複雑な構造をしています。炎症のよくみられる「曲種子骨靭帯」と「直種子骨靭帯」は、この部分です。
 

 
(Color Atlas of Veterinary Anatomy volume 2 The Horse/Raymond R.Ashdown & Stanley H.Done ※一部修正(赤枠を挿入))
 
 
どちらも近位種子骨に始まり、それぞれ第一指骨、第二指骨に終止します。
 
 
これが炎症を起こすと、繋が腫脹し、熱感や圧痛を引き起こします。程度によっては跛行もみられます。
 
今回、おそらく種子骨靭帯炎だろう、ということでエコー検査を依頼されました。
 

 
直種子骨靭帯に炎症がみられます。
 
 
この馬は出走後に繋に腫脹や圧痛がみられ、しばらく調整していましたが、今回休養のため放牧に出されました。
 
発症時期などはっきりせず、検査時に繋には熱感・腫脹・圧痛がみられました。跛行はみられません。
 
そのためしばらくはパドック放牧→ウォーキングマシンなどの軽めの運動から、数か月のリハビリを行うことになると思われます。
 
 
 
ちなみに、同じ繋の腫脹でも、
 

 
 
こちらは浅屈腱周囲の、腱鞘液の増量が原因です。
 
腱鞘の内部に、フィブリンが増生しているのが分かります。
 
こちらは圧痛など無く、跛行もしていません。詳細は不明ですが、かなり前から腫脹はしているとのこと。
 
そのため休養などはせず、様子を見ながら調教し、レースに出走していくことになります。
 
 
 
 
このように、外から見て同じ部分が腫脹していても、病変部位や原因は多岐にわたります。
 
 
あまり見ることのない症例でも、正確な触診・検査ができるよう、注意をして診療していきます。
 
 
 
 
 
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