「去勢したら馬って変わるの?」
この問題は馬関係者の中でも意見がわかれるところですが、
今回は、馬の獣医師の立場からみた「去勢の影響」のお話です。
去勢の定義は「牡馬の精巣を外科的に除去すること」です。
獣医学的には、鎮静や局所麻酔で痛みはコントロールできてるのですが、
見ている人からは「・・・痛そうですね」という感想が多い手術になります。
下の写真は先月当院で去勢をしたときの一場面ですが、
このように枠場で立ったままするか、全身麻酔で寝かせて行います。
去勢で「精巣」をとったら、馬にはどんなことが起こるのでしょう?
そもそも、「精巣」ってどんな働きをしているのでしょう?
Illustrated Atras of Clinical Equine Anatomy and Common Disorders of the Horse
精巣では、精子を産生する他に「テストステロン」というホルモンを分泌しています。
このホルモンは「副腎」でも作られますが、ほとんどが「精巣」で作られているため、
去勢で精巣がなくなってしまうと、このホルモンの分泌量も少なくなっていきます。
なので、獣医の立場からいうと、「去勢の影響はあります」なのです。
では、このホルモンはどんな役割を果たしていたのでしょう?
このホルモンが少なくなったときの影響は?
長くなってしまったので、続きはまた次の機会に・・・。